さんしゅみ

創造的・能動的・受動的の3種類の趣味で人間は幸福を感じられるらしいとか

au Design project 15周年展覧会「ケータイの形態学」展に行ってきた

INFOBARやtalbyなど日本の携帯電話と呼ばれる端末において異彩を放っていたau Desgin project、iidaブランドの15周年記念の展覧会「ケータイの形態学」展に行ってこれまでのauにおけるデザイン携帯の歴史を見てきました。写真撮影がOKだったので写真たっぷりにお届けします。ちなみに筆者は今までauユーザーになった事はないのでそのあたり思い出深い方もいるかと思いますが、庭の外から見ていた身分の文章としてご容赦いただきたい。

※展示物は全て撮影OKでした。

開催場所・概要

2017年7月21日(金)~7月31(月)までの期間でJR有楽町駅から歩いてすぐの東京丸の内新国際ビル内、有楽町駅側入口からはちょうど真反対の区画にあるGOOD DESIGN Marunouchiで開催していた展覧会で、入場料は無料。ざっと説明するとau Desgin projectが手がけた量産モデルからコンセプトモデル、更には一部初公開のコンセプトモデルまでが展示されており、カタログ、ポスター、コンセプトムービー等も鑑賞することが可能。

展示物写真など

展示は全5章で構成されており、

  • 第一章:手が好きな形態 ~デザインケータイの誕生と終焉 2001-2011 ~
  • 第二章:魂を揺さぶる形態 ~ケータイはアートになりえたか? 2009-2011 ~
  • 第三章:夢見る形態 ~iPhoneインパクトと新たな方向性の模索 2007-2009 ~
  • 第四章:「シェア」と形態 ~スマホ・SNSの渦中へ 2008-2015 ~
  • 第五章:「ほどよさ」と形態 ~繋がりすぎないデザイン 2017 ~

と年代ごとの携帯事情とそこから囚われすぎないためのデザインされたケータイによる挑戦と失敗、成功、そしてこれからが読み取れる構成となっている。

筆者はauの携帯電話、もっぱらデザイン携帯となるとINFOBARの印象が強いのだが、それ以外の懐かしい見覚えある携帯も数多くあり、「このケータイ持ってた」と懐かしみながら展示を見ている方もチラホラ見られた。しかしながら、初見と思われる量産端末も数多くあり、新たな発見となった。コンセプトデザインからほとんど変化すること無く量産化に漕ぎ着けた端末もあり、当時の苦労を忍ばせるテキストも読み応えがある。日本における携帯事情の変化に沿ってどのようなデザイン、機能が必要とされているのかが深く検討されており、現代のような正面から見た場合にはほぼ全面がディスプレイという同一化してしまったスマートフォンとなってもその意志は強く感じられる展示となっていました。

 記憶に新しいトランスフォーマーとのコラボも。その昔、『ケータイ捜査官7』というドラマがあったが覚えている人はほとんどいないと思うがそれをちょっと思い出した。

第一章:手が好きな形態 ~デザインケータイの誕生と終焉 2001-2011 ~

第1章では歴代のモデル展示。印象深いINFOBARも元を辿ればレゴだったという事実がなんとも面白い。上記のinfo.bar conceptのビニールパッケージ、これを一昔前のプリペイド携帯のようにコンビニの陳列棚に並んで売られていたら今の携帯事情もかなり変わっていたのでは無いかとちょっと妄想して楽しんでいました。

コンセプトデザインモデルから量産モデルとの比較も楽しみ方の一つ。(上記の画像はそれぞコンセプトモデル、量産モデルの順で並んでいるtalby、MEDIA SKIN、INFOBAR 2)。注意深く見なければ変化に気づかないような箇所もあればガラリと変わっている端末も確認できます。コンセプトモデルは夢を膨らます存在でもあるけど実際に形となって提供されるモデルとの対比も「このカーブとか、薄さとか一体全体どういう取り組みをしたんだ」という妄想を掻き立てる。

第二章:魂を揺さぶる形態 ~ケータイはアートになりえたか? 2009-2011 ~

 第2章ではアート表現としての可能性。最初の画像のこの水玉。2009年に発表されたプロジェクトを知らなかった筆者ですらまぁ、あの人しかいないだろうな…という捉え方をできた草間彌生とのコラボ。アート作品なのに何故か落下耐久性、品質基準をクリアしなければいけなかったという説明がついており、変なトコロに力を入れる技術屋魂はどこの企業も一緒だな…と。

第三章:夢見る形態 ~iPhoneインパクトと新たな方向性の模索 2007-2009 ~

第3章はiPhoneによるスマートフォンショック、飛躍的に進化した性能による恩恵をどう活かせばよいのか、工業製品のデザインと進化ってこういうテーマがあるから面白いと思わせる章となっている。方向性を模索している中にあって、ほんとにそれでいいのかな?というテーマも日本のケータイ市場に投げかける、ほぼ哲学に近いようなコンセプトモデルも含め6テーマが並んでいます。

第四章:「シェア」と形態 ~スマホ・SNSの渦中へ 2008-2015 ~

第4章はスマートフォン、SNSという巨大潮流に飲まれながらも逃れられないタッチパネル化の流れを活かしてどうデザインを表現するか、黎明期でしか見られない端末達のもがきを楽しめます。まさかau自ら「メガネケース」と思いっきりコメントしてくるとは思っていなかったIS01もいました。発表当初に少し聞いた「スマートブック」という表現は「死語になったよね…」とも言われないぐらい聞かなくなるほど忘れ去られた表現に…。今の時代に聞くと「電子書籍?」と聞かれそう。そしてタイルキーが印象的なINFOBARシリーズも段々とキーが取り除かれていきました。

第五章:「ほどよさ」と形態 ~繋がりすぎないデザイン 2017 ~

そして最終章。これからのケータイはなんぞやという未来に向けたテーマ。一気に隆盛したSNSの潮流もやり過ぎだよね、何事も程々が良いよという時代へ。未来がテーマのはずなのになぜ電卓が置かれているのかと思ったら「繋がりすぎないをテーマに、かといいつつ今更これだけ普及したスマホはもう手放せないからほどよい距離を置くためにSNS切断機能(=SNS非搭載)を搭載したスマホ『SHINKTAI』」ということでした。トランスフォーマーとのコラボも発送はこれからなのでちょっと待ってネ!というお知らせ。

その他展示

端末の展示はひとまずこちらまで。後はau Design projectのこれまでの歴史年表、INFOBARの顔ハメパネル、ポスター、コンセプトムービー等を見学できます。ちなみのこの展覧会を記念した記念本が発売されるとの事でそちらの表紙デザイン投票もできるようになっていました。発売は9月~10月頃とのこと。

 おまけ

 会場アンケートに答えるとデザイナーの深澤直人さん描き下ろしイラスト入り特製カタログが貰えました。内容は見てのお楽しみで。そこまでボリュームがあるわけじゃ無いですので期待値はそこそこに。イラストも歴代機のアイコンサイズのイラストがあり、ちょっとしたコメントが入っている冊子です。

あとがき

ずらっと画像を並べてみましたがあと2日間の開催期間中に足を運べる方は是非行ってみてください(追記:終了済みです)。掲載していない端末の中には、稼働しているイルミネーション端末の『LIGHT POOL』や厨二心をくすぐる『X-RAY』、デザインガラケーの最終形態とも言える『G9』、もちろん後継機の『G11』も展示されていました。iOS、Androidの2大スマホOSに立ち向かい盛大にコケたFirefox OSを搭載したスケルトンスマホの『Fx0』もしっかりありました。この端末の歴史をちょっと調べると面白い内容が…

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